あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
私がタクシーから降りると、横山も一度タクシーから降りる。
運転手さんに『すぐ戻ります』と伝えてエントランスまで送ってくれた。
「玉砕覚悟で…頑張ってみてください。自分はもうこれ以上、口出ししませんから。
2人とも大人ですからね。」
そう言うと、横山は穏やかに微笑む。
「…見守るってこと?」
「はい。でも、これだけは分かってください。
自分は社長…いや…奈々さんの幸せも、蓮さんの幸せも、同じように願っていますから。」
…横山が【社長】ではなく【奈々さん】と呼んだ。
「分かった。ありがとう横山。」
私がそう言って微笑むと…
突然、横山が私の腕を引っ張り…私の目の前に横山の胸が当たると同時に、横山の香りがフワッと香った。
え?
え…?
え………?
何っっ????????
この状況は…?
私…横山に…抱き締められてるの…?