あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
「……よ…こ…やま??」
「………。」
私がそう呼びかけても、横山は何も応えてくれず、腕にギュッと力を込める。
えぇ……っと…。
色々と考えようとしても、酔った頭では考えが浮かばず、
ただギュッと抱きしめられ、動けずに居た。
すると、横山が優しい穏やかな声で話し出した。
「奈々さん…。
奈々さんには、まだチャンスが残されて居るんです。
だから…自分の気持ちを真っ直ぐ蓮さんに伝えてください。」
そこまで言うと、横山は抱き締めた腕を緩めた。
そして至近距離で私の顔を見つめると、いつもの愛くるしい笑顔を浮かべ、
「大丈夫…
ちゃんと…玉砕したら拾いますから。」
「はっっ?」
「ん~~っっ?欠片ですかねぇ。粉末ですかねぇ。ほうき?掃除機?どっちが必要でしょうか?」
「何が?」
「奈々さんの玉砕した心を拾う道具ですよ!」
「もうっっ横山!人のことだと思って……」
そこまで言いかけると、緩められた腕が、再び私を強く抱き締めた。