あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
フッと前を見ると、スーツケースを押しながら歩いてくるオーラを隠しきれない蓮が居た。
帽子を深く被って、眼鏡を掛けている。
相変わらず…変装ヘタだなぁ…。
遠くから私の姿を捉えたのか、蓮がニッコリ微笑んで、私に手を振りながら歩いてきた。
「奈々さん、ただいま♡
てっきり横山さんが迎えに来てくれると思ってたよ。
奈々さんが来てくれるなんて贅沢~~っっ!」
「うん…横山もそのつもりみたいだったけど…私、蓮に話があって…。」
私の言葉に蓮が首を傾げた。
「…どうしたの?
1週間も休んだから、何かあった?」
ギュッとスーツのスカートを握りしめ、蓮の顔を下から覗き込んだ。
「違うの…。
あのね…私…蓮に聞いて欲しいことがあるの!」