あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
その日…ちょうど事務所に現れた奈々に、
「奈々さん…口紅の広告の続編の話…聞きましたか?」
俺がそう言うと…
「うん。聞いたよ。」
そうサラッと答える。
そのあまりにもアッサリした様子に、思わず…
「俺と…キスシーンがあるらしいんですけど…奈々さんは大丈夫ですか?
その…彼氏…とか…。」
小声で聞いてしまった。
すると尚もアッサリ…
「だって仕事でしょ?
断る理由なんてないわよ。
それに…彼氏が居ても居なくても、それは関係ないと思うけど…。」
そう言われた。
あまりにもキッパリそう言うから、俺は思わず本音を漏らしてしまう。
「キスシーンがあるとか…彼女に何て言ったら良いのかな…。
やっぱり彼女的には…嫌…ですよね…。」
俺がそう言うと、一瞬奈々の表情が強張ったのが分かった。