あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~


そして…蓮が私の手をソッと掴んだ。



「奈々さん…俺さ…。


葵を事故で亡くした時も…


梨花が俺の元から離れて行った時も…



どうやって1人の時間を過ごしていったらいいのか…正直分からなかったんだ。


でも…1人の時に感じる寂しさは、今度好きになる人のためだって思うようにした。



だって寂しさを知ってれば、その人を凄く大切に出来ると思ったから…。


1人で居る寂しさを忘れなければ


これからは大切なものを…


大切な人を…


大事にしていける。




どんな時でもその事を


忘れないで居れる。





あぁ…今のこの寂しさ…辛さ…悲しさ…切なさ…何一つとして誤魔化したりしないで


その気持ちを、いっぱい感じて


きちんと向き合おう。




そうすれば…次に好きになった人が、そんな気持ちにならないように、行動できるな…って。



今のこの気持ちは…その時のためだって…そう考えたら…凄くラクになったんだ。」




そう言いながらフフッと蓮が微笑む。



< 492 / 556 >

この作品をシェア

pagetop