あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
そして…蓮が私の手をソッと掴んだ。
「奈々さん…俺さ…。
葵を事故で亡くした時も…
梨花が俺の元から離れて行った時も…
どうやって1人の時間を過ごしていったらいいのか…正直分からなかったんだ。
でも…1人の時に感じる寂しさは、今度好きになる人のためだって思うようにした。
だって寂しさを知ってれば、その人を凄く大切に出来ると思ったから…。
1人で居る寂しさを忘れなければ
これからは大切なものを…
大切な人を…
大事にしていける。
どんな時でもその事を
忘れないで居れる。
あぁ…今のこの寂しさ…辛さ…悲しさ…切なさ…何一つとして誤魔化したりしないで
その気持ちを、いっぱい感じて
きちんと向き合おう。
そうすれば…次に好きになった人が、そんな気持ちにならないように、行動できるな…って。
今のこの気持ちは…その時のためだって…そう考えたら…凄くラクになったんだ。」
そう言いながらフフッと蓮が微笑む。