あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
ニヤニヤしている横山さんを見て、時間を確認すると…
「横山さん…早く車発進させないと、現場に間に合わなくなっちゃうよ?」
その言葉を聞いた横山さんが慌てて車を発進させた。
運転する横山さんを後部座席から見ながら話し掛ける。
「ねぇ…横山さん。
俺…奈々さんと昨日から付き合うことになったんだ。」
「そうですか。」
「ごめんね…横山さん。
ずっと横山さんが奈々さんのこと…」
俺が途中まで言いかけると、横山さんが静かに話し出した。
「自分はモデル時代から、社長のことを、ずっと傍で支えてきました。
でも…蓮さんの事も支えてきたと思ってますけど?
2人が辛い時に、飲みに行って愚痴を聞いたり…そうすることで、2人にとったら自分は
【なくてはならない存在】
なんですよ!
奈々さんを大事な人だと想う気持ちと同じように、
自分にとったら蓮さんも大切な人なんです。」
そう言って、前を向いて運転したままニッコリ微笑んで……