あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~

翌日…俺の腕の中で小さく丸まったまま、規則正しい寝息を立てている奈々。


奈々の茶色く柔らかい髪にそっと触れ、



「奈々…おはよう。そろそろ起きて?」



耳元で囁く…けど…



「…………。」



「奈々…。お~い!奈々さん。平山奈々!」



奈々と付き合うようになって知ったこと。

実は朝起きるのが苦手…ということ。



付き合う前に、朝まで一緒に過ごした事が何度かあったのに、全然気づかなかった。


本人にそれを言うと、



『片思いしてた相手が隣に寝てて、熟睡なんて出来る訳ないじゃない!』



とハッキリ言われた。


だから、こうやって寝起きの悪い奈々を目の当たりにすると、

俺と過ごすことが奈々にとって当たり前になったんだと思えて、嬉しくなる。


まだ眠る奈々をギュッと抱きしめて、耳元で囁いた。






「新庄奈々さん…朝ですよ…。」




「………。」

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