あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~

「お父さん…お母さん…何でここに?」



もう…訳が分からない…。


私がそう尋ねると、お父さんがフッと微笑んだ。



「蓮くんから呼ばれて来たんだ。

奈々…お前が高校生の頃から蓮くんを好きなこと…お父さんもお母さんも知っていたんだ。」



「…………!!」



「でも…それと同時に【報われない片思いだ】とも思っていた。


良くも悪くも…蓮くんは、本当に一途に人を好きになるから。


だから奈々に幸せになって欲しくて、お見合いの話を持ってきたりもしていたけど…


蓮くんを真っ直ぐ見つめる奈々の姿を見ていたら、


とことんその想いを貫けばいいじゃないか…


と思うようになって、奈々の想いを見守ることに決めたんだ。」





そう言って私を見つめるお父さんの瞳が涙で滲んだ。

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