あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
冬休みに入り、俺は春物のファッション雑誌の撮影のため、フランスのパリに来ていた。
撮影がひと段落ついたので、時間を確認して葵に電話を掛ける。
「今…撮影が終わったところだよ。
葵はバイト終わった?」
『うん。今終わったばっかり。
今日は忙しくて…ちょっと遅くなっちゃったんだ。』
俺と会う時間が少ないから、寂しくないように…と言って、葵が始めたケーキ屋さんのバイト。
クリスマスイブの今日は…やはり忙しかったようだ。
日本とパリの時差は7時間。
今、日本の時間は21時少し前のはずだ。
「こんなに遅い時間から行って間に合うの?」
『うん。遅くなったから、バイト先の人達が送ってくれるって。』
「は?それって男??」
『違うよ。女の先輩2人です。
大丈夫。私…蓮一筋だから。』
今日は友達とクリスマスパーティーをするらしい。
「そうか…でも…俺も葵一筋だよ。」
そういうと…電話越しでも葵が照れている様子が手に取るように分かる。