あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
1番のファンのためにも
~~蓮side~~
葵の死を知らされた翌日。
早朝からの撮影後、帰国予定だったが、泣きはらした顔で撮影ができる訳もなく…
マネージャーの横山さんと2人で帰国した。
成田空港に着くと、知らせを受けていた社長と奈々さんがロビーで待っていた。
2人の顔を見て……
「社長…奈々さん…すみませんでした。」
そう言って頭を下げようとすると、
フワリとフローラルの香りに包まれた。
「奈々さん……。」
俺が名前を呼ぶと…
それ以上…何も言わなくていい…とでも言うように、俺を優しく抱きしめたまま…
「今日は…家に帰って、ゆっくり休んで…。
明日も朝から撮影なのよ。
その泣き腫らした顔を何とかしなさい!」
という奈々さんの言葉は…プロとして厳しいものだったが、
とても優しい声をしていた…。