君がいたから
言葉は、不思議だ。

こんなにも人を幸せにすることができる。

涙が自然とあふれでてきた。

「はい。私でよければ」

そのあとは、二人で手を繋いでいつものかえり道を歩いた。

いつもより少し幸せな気分の帰り道。

キラキラ光輝いて私たちを祝福しているようだった。

これからは、彼と二人で人生を歩むかもしれない…

そんなかすかな夢すら思い描いていた。

そんな幸せな日々があっという間に過ぎ、彼と私の別れの時間を知らせる日がやってくる。

何も前兆などない。

まるで、光と闇を取り替えられたみたいに、前を向くのも難しいほどの悪夢。

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