君がいたから
泣いて彼の別れを告げた日、私は彼の気持ちを本当に考えていたのだろうか?

たくさん泣いた。

たくさん迷った。

それがあの答え。

でも、彼は本当にそれを望んでいたのだろうか?

本当に苦しまないという確信すらない。

でも、それでも実行した。

彼のあの表情はよく覚えている。

悲しそうな苦しそうな表情。

私は、彼のあの表情を見たくなかっただけだったんじゃないか?

彼は、苦しむことを承諾の上で一緒にいることを選んだはず…

一緒にあるということは痛みや苦しさも伴う。

そのなかには、嬉しさや幸せも隠れている。

私は、自分でそれを手放したのではないか?
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