君がいたから
ある日、彼と彼の友達の会話を聞いた。

「お前の家大変だったな…」

何が大変なんだろう?

「もう年だったんだし仕方ないよ…覚悟はしてた」

彼は力なく答えた。

「大好きな家族だったのにな…何かあったらいえよ。力になるよ」

友達は、彼に気を使って席を外した。

どういうことだろう?

彼に何があったのだろう?

彼は何事もなかったように、再び本を読み始めた。

でも微かにその姿は震えているように見えた。
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