粉雪
粉雪――心まで白く
ガラス張りのエレベーターから見える夜景は、今日も漆黒の闇に街の灯りが、色彩かな光を浮かび上がらせている。
高層ビル街の1角。
毎日、エレベーターを下るのは夜の帳に包まれ、数時間後。
どこのオフィスの灯りも消えている。
今日も1人、ガラス越しに夜景を眺める。
いつの頃からか、ライトアップされるようになった東京タワー。
街の装飾も11月に入って、すっかりクリスマス仕様に衣替えしている。
いつもより、1段と漆黒に映えているような気がする。
「もうすぐ、きみの誕生日だけど何かリクエストはある?」
「リクエスト?」
「例えば……大晦日に『第九を聞きながら過ごす』ッてのは?」
「今からチケットがとれるかしら?」
高層ビル街の1角。
毎日、エレベーターを下るのは夜の帳に包まれ、数時間後。
どこのオフィスの灯りも消えている。
今日も1人、ガラス越しに夜景を眺める。
いつの頃からか、ライトアップされるようになった東京タワー。
街の装飾も11月に入って、すっかりクリスマス仕様に衣替えしている。
いつもより、1段と漆黒に映えているような気がする。
「もうすぐ、きみの誕生日だけど何かリクエストはある?」
「リクエスト?」
「例えば……大晦日に『第九を聞きながら過ごす』ッてのは?」
「今からチケットがとれるかしら?」
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