天使の奏でる音
出会い
あの日、俺たちは全てを失った…
あれからもう3年が経つのか。
俺は久しぶりの日本の空気に苦笑いをしてしまう。
「奏さん‼︎」
名前を呼ばれて振り向くと3年前よりも大人びた姿で有村が立っていた。
「おかえりなさい。」
昔と変わらない笑顔で空港まで迎えに来てくれた。
「ありがとう。有村、元気そうだな。」
「ええ。荷物はこれだけですか?」
「あぁ。」
「じゃあ、ご案内します。車まで行きましょうか。」