天使の奏でる音
『color』
高校時代に俺と幼なじみだった晶で作ったバンドだ。
カリスマ的な人気を誇り、社会現象にまでなった。
だが、ボーカルをつとめていた晶の死で突然の終わりを告げる。
伸びやかな高音を誇っていた晶の声を余すことなく使い作成された楽曲ばかりで、別のボーカルに歌えるはずもない。
何しろ、バンドの顔であるボーカルが変更となるのだ、同じ名前での活動も出来ない。
そして、晶の声を失い、俺の中に溢れていた音は消えた。
楽曲作成出来なくなった俺は、アメリカに渡り静養生活を余儀なくされた。
幸い、今までの活動のおかげでお金に困ることは無かった。