天使の奏でる音
「奏さんの負担にならないよう、同じ人をお願いしてあります。創作に邪魔になっても困りますからね。」
有村が笑う。
「あと、俺が奏さんが日本にいる間はサポートしますから。マネージャーだと思って使って下さい。」
「悪いな。」
「光栄ですよ。あっ、ココです。このマンションの45階です。」
到着したマンションには、既に雇われた家政婦もいるという。
俺のことは、説明してあるというが面倒な人でないといいが。
家政婦っていうと…あれか、市原悦子みたいなオバさんだろ。
地下駐車場からエレベーターで45階へ向かう。
ワンフロア貸切は有難い。
防音設備も整っており、24時間いつでも音が鳴らせると有村が説明する。
「生活に必要な物は揃えてあります。足りない物や欲しい物は言って下さいね。すぐに用意しますから。スタジオに行く際なんかは呼んで下さい。」