それは夢だった
電車が来る、アナウンスが入る
まだちょっとあるな…なんてそのままでいた私
ふいに前によろめいて黄色い線から体が出た

「危ない!」

誰か女の人の声が耳に入った気がする
誰かの手が自分の体のどこかに触れた気がする

私は目を開けてゆっくりとした景色の中、ふいにぐらり…と地面に落ちる感覚を覚えた

あぁ…私、こんなとこで死ぬのか

なんて思いながらホームの方をみた
騒ぐ女子高生におばちゃん、それに口をあんぐりと開けた男の人、強張った顔した人…

瞬きをしようと目を閉じた瞬間に、ぐんっ…と誰かに引っ張られた
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