Light in darkness
すると女性は感動したように目を潤ませた。

「あら、いいのよ。その気持ちだけで…。有難う。晴彦の友達でいてくれて」

『……』

晴彦は驚いたように自分の母親を見ている。

晴彦が何時も見ていたのは気の強い母だけだった。

「晴彦さんはとてもいい人でした。きっと貴方のような方がお母様のおかげでしょう?」

「いえ、そんなことはないのよ」

女性は目を静かに伏せた。

「??」

「私はね、晴彦が将来困らないように勉強しなさいと言い続けたわ。勉強ができない、それだけで馬鹿にされる晴彦は見たくないからね。だけど、何時からか…晴彦にはそれが苦痛だったみたい。でも、私はまだ勉強しなさいと言い続けた。今になって後悔してるわ。こんなに短い人生だったならもっと好きなことをさせてあげれば良かった……」
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