Light in darkness
女性は静かに涙を流す。

『お母さん…』

空は女性に近付き、優しい声音で話し掛けた。

「大丈夫ですよ。きっと晴彦さんも分かってくれますよ。それより今、貴方がするべきことは笑顔で暮らすことですよ」

「うぅ…有難う」

暫くして空は女性と別れた。


「いい人じゃんかよ。お前の母ちゃん」

『うん…僕、もっとお母さんと話してれば良かった』


後悔しても遅い。

それが嫌ってほど分かる。


「まず、1つ目の未練は果たせたな。残りは…友達か。名前は?」

『え?』

「だから友達の名前だよ」

『あぁ、えーっと…竹本直樹と風鈴玲』

「竹本に風鈴な」

しかし、空は胸の奥にある嫌な感じが突っ掛かる。
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