駆け抜けた少女-番外編-
土方歳三のとある休日。
ことの始まりは、近藤さんの一言だった。
「歳よ、お前最近働きすぎじゃないか? そうだ、明日は一日休め!」
確かにここ数ヶ月まともな休みなんてねえけどよ、俺はそれでいいと思っている。
新選組はまだまだこれからだし、やることだって山のようにあるし、休んでる暇なんてねえんだ───なのに。
「あー土方さん、今日はお休みなのに仕事してる!!」
………うるせえのが来やがったぜ。
「せっかく近藤さんがお休みくれたんだから、しっかり休みましょうよー」
しっかりねえ。
「今日は徹底的にこの部屋綺麗にしますから、ほらほら土方さん邪魔だから部屋出てて!!」
おいおい、かりにも上司である俺を叩きで追い出すたあ良い性格してんな。
仕方ない、掃除の間くらい散歩にでも行くか。