冷徹執事様はCEO!?
暫くすると、ラーメンと餃子が出来上がる。おっさんは同じタイミングで作っていたようで、お兄さんも丼を受け取っていた。

「いただきまーす!」

私は大好きな勝負軒のラーメンと餃子を勢いよく食べ始める。

「うまいな…」隣のお兄さんがボソリと呟いた。

「でしょう?」私は得意気にニッコリとお兄さんに笑いかける。

私は男子柔道部員並みの勢いで、あっという間に間食した。

お腹をさすり、レジでお会計をする。

「850円です」

支払いをすべくお財布を開き私はピシリと固まった。

お札が一銭も入っていなかったのだ。

慌てて、小銭入れを開くと350円しか入っていない。

「…げ」

そういえば、今日お昼代を貰い忘れた事を思い出す。

痛恨のミス…

「クレジットカードは使えるかしら」私はお財布からブラックカードを取りだす。

「燁ちゃん、この店でカード使えないのよ。ごめんね」中華屋のおばさんは肩を竦めて苦笑いする。
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