冷徹執事様はCEO!?
私は肩で息を吐き、再びガラゴロとスーツケースを引きづりながら歩く。

足の疲労はピークに達し、産まれたての子牛のようにプルプル震える。

なんとか丘の上まで辿り着いた。

「ぶはー!ハアハアハアハア!」

変質者さながら、私の息は荒い。

鉄の門扉を開けて、私は屋敷の敷地内へ入っていく。

またここからが長いんだよな…

森林の遊歩道を4、5百メートル歩くと、次に園芸ゾーンがある。

其処から噴水広場を抜けてようやくお屋敷の玄関だ。

4人の子ども達が思いっきり遊べるようにと、子煩悩な父はこんなだだっ広い敷地に家を建てたらしい。




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