冷徹執事様はCEO!?
その時玄関の方が俄かにざわついて来た。

「お客様かしら」私が玄関の方に視線を向ける。

「来たな。行くぞ、遥、燁子」

匠ちゃんを先頭に私たちは玄関のへ移動する。

「あけましておめでとうございます!」

専務を始めとした葛城商事の役員集団が揃って玄関でご挨拶する。

「あけましておめでとうございます」

私達葛城家も家族総出でお出迎えだ。圭人と英茉もちょこんと頭を下げた。

「ささ、どうぞ、中へお入りください」匠ちゃんが、役員達を招き入れた。

ここからが宴会開始だ… 。

ダイニングの中央にテーブルを置き、重箱に入ったおせち料理やお寿司、サンドウィッチなどの軽食と、日本酒、焼酎、ウィスキーなどのお酒がズラリと並べられている。

席を所々に設けた、立食形式になっており、ちょっとしたパーティーさながらだ。

パパと匠ちゃんがホストとしておもてなしする。

ユウキを始め、母や私、そして嫁の遥さんも、お酒を配ったり、料理を運んだりお給仕役に徹する。

「久しく見ないうちに燁子さんはキレイになったねぇ!なんでもご実家に戻られたとか?」

「そうなんですよ、斎藤副社長。いい人いたら紹介してくださぁい」

時にはホステス役も演じてみたり… 。

「それならちゃんと手配してますよ。もうそろそろ着く頃だ」斎藤副社長は意味深な事を言って、ニヤリと笑う。

「へ?」思わず私は聞き返した。

再び、玄関のチャイムがなった。
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