冷徹執事様はCEO!?
「燁子は俺に匿ってもらっているんだろう？それなのに甲斐甲斐しくお世話をしてもらうつもりか？もうお前のパパからお給金を払ってもらっていないのに？」

「いーじゃない。葛城商事から融資してもらってるんでしょー」

「俺はその葛城商事の代表の意に反する事をしている。燁子が泣きべそかくからな」

相変わらず口の減らない男だ。

私は言い返せずにうう、と唸る。

「だからタダで泊まらせる訳にはいかない。此処にいる間はしっかりと働いてもらう」

「ええ！嫌だ！じゃあ、出てく！」

私が立ち上がろうとすると、田中は腕を掴む。

「何なら、燁子が此処にいることを今すぐ匠に連絡してもいいんだぞ？」

そうしたらすぐに迎えが来て即強制送還だ。

「やっぱり性格悪いな」

「口の聞き方にきをつけなさい、葛城さん？」

田中は悪魔の笑みを浮かべ、長い指でするりと私の顎を撫でた。
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