冷徹執事様はCEO!?
「味噌汁しょっぱい。それにちゃんと出汁とったのかよ?」

意地悪な姑の如く、田中は私の味噌汁にケチをつける。

夕飯の献立は、塩麹の唐揚げと筑前煮にほうれん草のお浸し、それにご飯とお味噌。

…全て私が用意した。

「唐揚げはまあまあだな」

相変わらず無表情なので褒められてる気が全くしない。

文句を言いながらも全て平らげた。


田中は夕飯を済ませると、リビングでソファーに座り、雑誌を捲りながら寛いでいる。

「葛城くん、紅茶を淹れて」

「はい」

また、指示する姿も堂に入ってるのが癪である。

「はあ」私は溜息をつきながらキッチンで紅茶の用意をする。

茶葉をティースプーンで適当にすくい、ポットに入れるとお湯を注いだ。後は葉が開くまで蒸らすだけ。

エロい事をされるなんて、とんでもなかった。

まさか、使用人の扱いを受けるとは想像を超えた嫌がらせだ。

田中、やるわね。
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