冷徹執事様はCEO!?
「結納はいつにしましょうか」

「ちょっと気が早いわよ」

早速、張り切るママに異議を申し立てた…が、ぜーんぜん聞いてない。

「善は急げでしょう?今日は晴ちゃんも帰って来るから航生も呼びましょう!」

それどころか葛城家の面々に召集を掛けようとしている。

「江藤さん、今晩は前祝いの準備をお願いね」

側に控えていたユウキは「畏まりました」と言って一礼する。

もうこうなったら誰も止められないだろう。私は肩でため息をついた。

「ごめん、何か祝いの席を設ける事になっちゃったけど、大丈夫?」

私は小声で囁き、稜の顔を見上げる。

「資本提携解消されなくて本当に良かった…」稜が強張った顔でボソリと呟く。

どうやら緊張していたようだ。

私は思わず吹き出してしまった。
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