冷徹執事様はCEO!?
「アキ」不意に呼びとめられて声の方へ振り向く。
「航生!」
にっこりと花のように微笑む、潤しい我が弟の姿がそこにあった。
「はい、お土産」と言って紙袋を手渡された。中には私が大好きなお店のマカロンが入っている。
「ありがとう」思わずニンマリと笑みを浮かべる。
「アキ、田中稜と結婚するんだって?」航生は片眉を上げて尋ねる。
「まだ決定じゃないけど… 多分」私は照れて、俯きながら言う。
「この間、うちに来た時は絶対結婚なんかしない!って言ってたから驚いたよ」航生は肩を竦めた。
「その節はお世話になりました」私はペコリと頭を下げた。
不意に私の姿を見て逃げていってしまった女性の姿が頭を過った。
「そう言えば、あの彼女とは仲直りしたの?!」
航生は思わぬ私の切り返しにギョッとした表情を浮かべる。
「まあ、誤解はとけたみたい」
「みたい…だけど?」私は聞き返す。
「まだ彼女ではない」航生は苦笑いを浮かべた。
「お付き合いしてないの?」
航生は私の切り込んだ発言に眉根を寄せる。きっと図星だろう。
「高校生じゃないんだから」
好きな女性に、なかなか踏み込めずにいる弟の純情な一面を見てしまった。
「声がデカイぞ、燁子」
いつの間にか稜が私のすぐ隣に立っていた。
「お久ぶりです。田中さん」
「久しぶりだな、弟」
「すっかり兄気どりかよ」私はすかさず突っ込んだ。しかも偉そう。
「航生!」
にっこりと花のように微笑む、潤しい我が弟の姿がそこにあった。
「はい、お土産」と言って紙袋を手渡された。中には私が大好きなお店のマカロンが入っている。
「ありがとう」思わずニンマリと笑みを浮かべる。
「アキ、田中稜と結婚するんだって?」航生は片眉を上げて尋ねる。
「まだ決定じゃないけど… 多分」私は照れて、俯きながら言う。
「この間、うちに来た時は絶対結婚なんかしない!って言ってたから驚いたよ」航生は肩を竦めた。
「その節はお世話になりました」私はペコリと頭を下げた。
不意に私の姿を見て逃げていってしまった女性の姿が頭を過った。
「そう言えば、あの彼女とは仲直りしたの?!」
航生は思わぬ私の切り返しにギョッとした表情を浮かべる。
「まあ、誤解はとけたみたい」
「みたい…だけど?」私は聞き返す。
「まだ彼女ではない」航生は苦笑いを浮かべた。
「お付き合いしてないの?」
航生は私の切り込んだ発言に眉根を寄せる。きっと図星だろう。
「高校生じゃないんだから」
好きな女性に、なかなか踏み込めずにいる弟の純情な一面を見てしまった。
「声がデカイぞ、燁子」
いつの間にか稜が私のすぐ隣に立っていた。
「お久ぶりです。田中さん」
「久しぶりだな、弟」
「すっかり兄気どりかよ」私はすかさず突っ込んだ。しかも偉そう。