冷徹執事様はCEO!?
実際、私達兄弟はこの広大な敷地内で野生児さながら遊びまくった。

迷子になった経験は数知れず、である。

しかし三十路となった今、敷地の広大さが運動不足の身体にとどめを刺さす。

森林地帯を抜けると、私はいよいよヤバくなってくる。

肩で息をして、鼻水まで汗と一緒に垂れて来た。

身体中の水分が蒸発してなくなりそう。

砂漠の遭難者さながらフラフラ歩いていると薔薇の植え込みからフラリと人影が現れた。


目が霞んでよく見えないが、私に気がつくと真っ直ぐこちらへ向かって歩いてくる。



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