冷徹執事様はCEO!?
「たなかー!空豆獲ってきた」

空豆の入った籐の籠を持って、茄子を収穫中の田中の元へ駆け寄る。

「ご苦労さまです。たくさん獲れましたね」

えへへー、と得意気に笑って空豆の入った籠を手渡す。

「ではトウモロコシも3本程もいで来てもらえますか」

「オッケー」

私は隣の畑に行き、言われた通りトウモロコシを三本獲ってくる。

中には黄色い身がギッシリ詰まって美味しそうだ。

両手で抱えたまま、田中の元へ戻ろうとすると、石につまづきバタリと倒れ込む。

トウモロコシ達はゴロリと地面に転がった。

「…いったーい」

「ぶっ!」

田中は顔を真っ赤にして口元を抑えている。

「ちょっと何笑ってんのよ」

「いや、と、隣のトトロでこんなシーンがあったな、と思って」

確かにあった…妹のメイがお母さんにトウモロコシを届けようとしたシーンだ。

「あ、あったわね…」

私は苦虫を噛んだような渋い表情で言う。

田中はついに堪え切れなくなったのか、背を向けて肩を震わせている。

本当に執事か、あいつは…

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