冷徹執事様はCEO!?
私は自力で起き上がると、服についた土を払う。

「痛たた…」

見ると膝と肘を見事に擦りむき傷が出来ていた。

「燁子様…、だ、い…丈夫でしょうか」

田中は不自然に口元を引きつらせている。

「うん、大丈夫よ」

「血が出てますね。消毒しましょう」

「ツバつけとけば治るって」

「いや、女性の身体に傷が残ってはいけません」

さっきまで笑ってたくせに有無を言わさぬ口調である。

そのまま、畑仕事を余儀なく中止され、私は家まで強制連行された。



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