冷徹執事様はCEO!?
夕方に目が覚めて、シャワーを浴びると、再び一階へ降りて行った。

玄関の所で田中の姿を発見する。丁度出掛ける所のようだった。

「田中、どこ行くの?」

「夕飯の買い物です」

「私も行く!」

田中の眉がピクリと痙攣する。
きっと嫌なのだろう。

だけど私は無視してガレージまでついていくと、半ば強引に車の助手席に乗り込んだ。

カーステレオのスウィッチを入れるとレゲエミュージックが流れた。

私がボリュームを上げると、ワーゲンのゴルフ内は重低音に包まれる。

田中はさりげなく音量を絞った。

「ちょっと、何小さくしてんのよ」

「申し訳ありません。運転に集中出来ないので」

と、いいつつも、元に戻す気配はない。

私は再びボリュームを上げた。

先ほどよりも更に大きな音で重低音が鳴り響く。

その時ワーゲンゴルフが加速したので私は後ろのシートに叩きつけられた。

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