冷徹執事様はCEO!?
田中はサラリーマンのおっさんが持つようなパンパンの手提げ鞄を持った。

私は玄関まで田中を見送る。

「冷蔵庫にビーフシチューとパンがあります。夕飯にでも適当に食べてください」

「うん、ありがとう」

田中は私の頭をそっと撫でる。

「なるべく早く戻りますね」

まるで子どもに留守番させる母親のようだ。

「大丈夫よ。たまにはゆっくり楽しんでらっしゃい」

「ありがとうございます」

田中は外に待たせていたタクシーに乗り出掛けて行った。


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