冷徹執事様はCEO!?
「何その格好。ギャグ?」

美しい顔をして真巳は辛辣なのだ。

「たまにはいいでしょ」

冗談めかして言うと、真巳の向かいのソファーに腰掛けた。

「そんなブランド品ばっかり買って、信夫さん怒らないの?」

「これはパパのお金で買ったものよ」

「パパって…燁子パトロンでも見つけたの?」

真巳に真剣な表情で尋ねられて、私は思わず声をあげて笑う。

「いや、実のパパです。全部昔買った服よ」

「まさか、あんた…実家に戻ったの?」

真巳は大きな目を更に大きく見開く。相変わらず鋭い。

「うん、出戻った」

「はあああああ?!」

真巳のデカい声で周囲の視線が一斉に集まった。

「どうゆうこと?!」

「まあ、色々あってさあ。話すと長くなりそうだからハイティーに行こうか」

「お茶なんてチャラチャラ飲んでる場合じゃないわよ!」

真巳は形のよい眉を釣り上げ前のめりになって言い返す。

「出戻ったって、つまり…」

「信夫とは離婚したわ」

私はサラリと言ってのけるが真巳は阿呆のようにポッカリ口を開けている。
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