冷徹執事様はCEO!?
「俺と稜は大学の同窓だったんですけど、こんな風に笑うのは年に数回しかありません」

「そうなんですか?」

田中は無表情だけど、よく人の事を馬鹿にしてはツボに入ってよく笑っている。

「お二人の学生の頃ってどんな感じだったんですか」

小首を傾げて可愛らしく真巳が聞く。

「勉強ばかりしていました」

田中はサラリと答えた。

「お前…凄いな。そのナチュラルな嘘のつき方…」

藤原に突っ込まれ田中は眼鏡を人差し指で食いっとあげた。

「俺はチャラチャラしてそうに見えて実際チャラいんですけど、こいつはほんっとうに質が悪い!」

藤原の台詞には気持ちが篭っている。

「無表情で愛想がないけど、この甘いルックスだろ。感情の起伏のなさもクール、なんて言われて、入れ食い状態だったよなー」

「ああ!それはムッツリスケベって事ね!」

私は手を叩いて言う。

「そう!こいつはムッツリスケベなんだ!」

「そんな得意気に言うほどの事でしょうか」

田中は冷静に突っ込んだ。

「稜は水球やってたから脱ぐと結構いい身体してるんですよ」

藤原は悪ノリする。

「ああ、確かに着痩せするタイプよねー」

私がもっともらしい顔で頷くと田中は再びシャンパンを吹く。

「もう、何よーさっきから」

私がハンカチを差し出す。

「どうして燁子様が私の身体の事を知ってるんでしょうか」

田中は受け取ったハンカチで口元を拭いながら言う。

「さっき見たもん」

「やっだー!もう、昼間っからあ」

真巳は何故か照れながら言う。p
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