冷徹執事様はCEO!?
「おっと水原から返信きた。いつでも紹介するYO!だって」

藤原がチラリと私達に視線を向ける。

「軽っ…」真巳が思わず突っ込んだ。

「ま、気が向いたら稜に言えばいいんじゃない?」藤原はウィンクする。

「ありがとうございます」照れて頬が熱を帯びる。


結局、真巳と藤原は意気投合したらしく、二人で夜の街へ飲みに行ってしまった。

残された私と田中はタクシーを拾いがてら散歩する。

「今日はデートじゃなかったんだ」

「安心しました?」

田中の表情をチラリと横目で見ると、いつも通りのポーカーフェースだ。

「別にー」私が口を尖らせて言うと田中はクスリと笑った。

「燁子様は随分お洒落してますね」

「惚れた?」

私は腕を絡ませ田中の顔を覗き込んだ。

「いつもの短パンとTシャツ姿も悪くないです」

「私はそっちのがいいわ」

私たちは顔を見合わせてクスクス笑う。
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