冷徹執事様はCEO!?
「真巳と藤原さんもいい感じだったね」

「それもそうですが、私達に気を使ったんだと思います」

「家が遠いから?」

意味がよく解らず首を傾げて尋ねる。

「燁子様、天然にもほどがあります」

相変わらず失礼な男だ。

「じゃあ、どうしてよ」

「これから、私が燁子様のお相手をすることになる、と思ったのではないでしょうか」

「帰ったら結構いい時間だし疲れてるから、今日はお相手しなくても大丈夫そう」

「きっと、あの2人は『お相手する』とは夜伽のお相手をする、という意味でとったのでしょう」

「はあ?!何それ!如何わしい!」

私はギョッとして目を大きく見開いた。

「あの2人が特別な訳ではありません。世間一般ではそういう認識なのです」

「ええっ?!そうなの?!私が日本語の使い方を間違ってたの?!」

「正確には間違ってはいませんが、その裏にある意味を燁子様は認識されていなかったのでしょう。聞く人が聞けば誤解を与えます」

「じゃ、じゃあ、あの2人は私と田中がヤりまくってて、今晩もしっぽり更けこむと思ってる、って事?!」

すれ違い様に若い女の子達がギョっとした視線を向ける。

「燁子様、下品過ぎます」

田中は否定も肯定もしない。

「いやああああ!」

夜の街に私の絶叫が轟いた。
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