冷徹執事様はCEO!?
男の側まで寄ると思いの外、身長が高い。

身長165cmの私でも見上げてしまうほどなので、ゆうに180cmは超えているだろう。

思わず怯みそうになるが、顎を上げて、男の顔面を見据えた。

「挨拶もされていない方に色々詮索されるのは不愉快です」

ピシャリと言ってのけ、侮蔑したように一瞥する。

「申し訳ございません」

私の尊大な態度にのまれて、男は無表情のまま頭を下げた。

よし、決まった!

思わず、心の中でガッツポーズを作る。

「一先ず屋敷まで荷物を…」

一歩踏み出した瞬間、まるで地面が柔らかな羽毛布団になったかのように足が沈みこんで行く

あ…れ…。

目の前が真っ暗になると私の意識はパッタリと途切れた。

< 8 / 277 >

この作品をシェア

pagetop