冷徹執事様はCEO!?
「私は子どもを授かる事が出来なかったから」

「でも、2人ともまだ若いんだし」

晴子姉さんがフォローする。

「違うの。原因は私にある。子どもが出来ないから、病院で調べてもらったの。そしたら色々原因があって、結果的には妊娠しづらい体質だって言われた」

「燁子…」

晴子姉さんは悲しそうに眉を潜めた。

きっと、出産に対するプレッシャーは誰よりもわかっている。

「匠ちゃんも、晴子姉さんも子どもが出来て変わったでしょ。だから信夫にもチャンスをあげて」

「変わらなかったら?」

匠ちゃんは両肘をつきてを組んで私を見据える。

「その時は好きにして」

私は躊躇うことなく言い放った。

匠ちゃんは其れを聞いて納得したようにコックリ頷く。

「わかったよ、燁子。今回はお前の言うとおりにしよう」

「つまんないな」

航生が唇を尖らせ不満気に言う。

「まあ、そう言うな航生。今回は燁子に免じて大人しくしていよう」

私はホッと肩を撫で下ろした。

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