冷徹執事様はCEO!?
「そういや燁子、さっき手を繋いで入って来たな」

匠ちゃんは鋭く指摘する。

「しかも、お洒落してるし。デートでもしてたんじゃない？！」

晴子姉さんも追求してくる。

「違う。今日は真巳と会ってたの。そしたら出先で偶然出くわしたから一緒に帰って来た。手を繋いでいたのは、私が転びそうになったから手を借りてただけよ」

私は一気に捲し立てた。

「それに、ああ見えて結構性悪よ」

私は眉根を寄せて言う。

「そうだよ。相手は使用人だろ。アキとどうこうなる訳ないじゃないか」

シスコンの航生は不機嫌そうに言う。

「まあ、田中さんは使用人とはまた微妙に違う立ち位置なんだけどな」匠ちゃんが言う。

「どういう事？」航生は眉根を寄せる。

「両親が留守の間、この家を管理するためにうちへ来てるんだ。使用人というよりも管理人だな。其処へたまたま燁子が帰って来たから成り行き上お世話もお願いすることになったんだ」

「そうだったの。でも羨ましい。あんなイケメンにお世話されたいもんだわ」

晴子姉さんはふう、と小さくため息をついた。
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