狼少年と一人の少女。
「用がないなら私達、行くから」
心遥がさっきからうるさいから私ははやく家に帰りたい。
呼び止めてきた狼の返事も聞かずにさっさと門へ向かった。
「ねえねえねえ!もしかして柚愛の友達?」
そして結局うるさい心遥。
誰のためにさっさと立ち去ったと思ってるのよ…。
「だーかーら、さっきから違うっていってるでしょ!
あんな根暗みたいなヤツ友達になんないって!」
正直怖くもなんともなかったし根暗としか思わなかった。
何を怖がっているのか私にはわからなかった。
「あんな怖い人を根暗ですましちゃう柚愛やばいよ…
鋼の精神?ゴリラ?」
誰がゴリラだ。
とりあえず心遥のうしろ頭をひっぱたいて家へと急いだ。
ああ、早く帰りたい。