君色〜キミイロ〜

その絵には,サインが入ってて


「つ…と…ツトム!?」


えっ!嘘!これ橘さんが描いたの?

上手すぎでしょっ!!


そこに描かれていたのは

どこかの海辺の絵で…

なんだかすごく心が落ち着く。


「莉〜緒ちゃんっ!良いよっ♪
…ってどうしたの?」


「あ…いえ。この絵素敵だなと思って。」


「この絵?」


橘さんは私が指差すほうに目を向けて「これっ?」ってちょっと驚いた顔をした。


「だってこれ…橘さんが描いたんでしょっ?」


そう言うと橘さんはいきなり吹き出した。


ええっ!なんで??


「あはは。ごめんごめん!この絵に関心示してくれたの初めてだったから。」


「だからって…そんな笑わなくても。」


私はむすっとして橘さんを見た。

「いやいや嬉しかったの!!この絵ね,俺が一番好きな場所なんだ。」


「好きな場所?」


「うんっ♪…あ!そうだ!」


なんだろ…?

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