君色〜キミイロ〜

「最高っすよ!!」


…へ?


「最高のモデル見つけましたから。ご心配なく!」


橘さん…


また泣きそうになっちようよぉ…


「そっか。本番が楽しみだな。
じゃあ…またな。久々に話せてよかったよ。」


「こちらこそ。また会場で。」


広樹さんが帰ろうとすると…


「広樹さん…!」


橘さんが呼び止めた。


「俺……負けませんから!!」


広樹さんは一瞬目を丸くしたけれど

すぐに笑顔になった。


「おう。俺も負けねぇよ?」


さっきとは違い,穏やかな空気が流れ出した。


「ツトム…」


「はい?」


「お前…すげぇ今輝いてんな。眩しいくらい。」


広樹さんは真剣な顔でそう言った。


「今…俺の側には笑顔をくれる人がいるんです。すごい大切な人が。だから…今の俺は,その人のお陰なんです。」

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