君色〜キミイロ〜


ずっと頭に美咲さんのあの涙が残る。


あんな顔をされたら
男の人はイチコロだろうな…


きっと橘さんも…。


今一番近くにいるのは私だよね?

橘さんは…私をモデルとして認めてくれてるんだよね?


信じて…いいんだよ…ね…?


愛し合った二人の笑顔の写真がまた浮かび出す。


「……信じたい…よぉ…」


耐えきれなくなった私はその場にしゃがみこみ声を殺して泣いた。


ピンクの可愛らしい封筒がやけに腹立たしくて


こんなふうになってしまう自分が腹立たしくて……


静まりかえった商店街に
出会ったあの日を重ねて

また泣いた。




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