君色〜キミイロ〜
『ツトム…?』
「そうだけど…」
『やっと…出てくれた…』
「…なんの用事?」
橘さんは冷たく言い放った。
青い瞳が橘さんの表情を怖く見せた。
いつもはあんなに優しいのに…
それほどの過去の痛みを感じた。
『封筒…もらわなかったの?』
「封…筒?」
――ドキッ!
私が持ってるやつだ…
『ツトムの知り合い…モデルさんに渡したんだけど…』
「えっ?」
橘さんはひどく驚いた顔をして私を見た。
「美咲…莉緒ちゃんに会ったのか?」
その言葉は逆に「莉緒ちゃん…美咲に会ったのか?」
って言われてる気がして
怖くなった私は目を瞑って頷いた。