君色〜キミイロ〜


「なんで…お前…今さら何がしたいんだよ!?」


『何もしてないわ…。ねぇツトム。
今から会えない?』


「えっ…?」


私は橘さんの強ばる表情を見逃さなかった。


「会ったら…もう連絡してこないんだな?」


『…うん。もう何もしない。』


「莉緒ちゃんにも,もう二度と近づくな。」


橘さんは私の腰に手を回し
思いきり近づけた。



その後どんな会話をしていたのかはわからない。


橘さんはその数分後に電話を切った。


「橘さん…私…」


下を向こうとした私を

橘さんの手が止めた。


「大丈夫だよ。」


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