君色〜キミイロ〜


「色…?」


「うん。オーロラのように色々な輝きを魅せてくれる…って。」


オーロラのように…私が…?

橘さん…そんなふうに見ててくれてたの?


「莉緒ちゃんは,そういう力を持ってる。莉緒ちゃんには莉緒ちゃんにしかない色がある。」


橘さんは私の目を見てゆっくりと囁いた。


「“君色”がある。だから,誰かと比べなくて良いんだよ。」


やばい…今のめちゃ感動しちゃうよ…


また涙が出そうになるのを上を向いて必死に耐えた。


「偶然出会えたのが俺でよかった。莉緒ちゃんに会えて,ほんとによかった。」


「橘さ…」



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