君色〜キミイロ〜


橘さんの名を言い終わる前に


橘さんは少しかがんで首を傾け


そっと私の唇にキスをした。


メイク室には他の人もいるのに!!


私は恥ずかしくなってぼぉっと顔が熱くなる。


「あはは。不意打ちすぎてびっくりした?」


またイタズラに口角をあげて笑う。


「もうバカぁーっ!」


さっきので感動したのに!ってポカポカ叩いてると


急に叩く腕を止められて


私の頭の後ろに手をやり橘さんに近づけられた。


そして頭にチュッとキスをする。

「ありがと…莉緒ちゃん。」


「…へ?」


橘さんを見上げると


橘さんは少し頬を赤く染めてにっこり笑った。


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