君色〜キミイロ〜


『卒業フェスティバルまで開始15分前です。出場する皆様は第一ホールまで集まってください。』

メイク室に響く場内放送。


他のモデルさんやデザイナーさんの顔も緊張で少し強ばってる。


みんな…一緒なんだね?


「とうとうだね。」


「はい…」


不安になって下を向くと


ぎゅっと私の手を握った橘さん。

「さぁ,行こうか。」


橘さんは優しく私に微笑みかけ


橘さんに手を引かれながら


ホールへと向かったんだ。


橘さんの細いのにしっかりとした広い背中が


今すごく心強い。


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