君色〜キミイロ〜


「ごめんな…ツトム…俺はっ…」



「…知ってます。」



橘さんから出た思わぬ答えに私もびっくり。


広樹さんは切れ長の目を見開いた。


「知ってる…て…?」


「はい。大体のことは…わかります。」


橘さんは顔色一つ変えずに話す。

「…でも,広樹さんのこと恨んでませんよ?」


「…へ?」


「広樹さんは…俺の憧れですから。」


橘さんはくしゃっと目尻を下げて笑った。


広樹さんも苦笑いをして下を向いた。


「お前には…負けたよ。
ツトム…!今日の衣装最高だった。」


広樹さんは右手を橘さんの前に差し出した。


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